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全町民避難を続ける町の今








去る10月31日、
未だ全町民が避難を続ける
福島県の富岡町へ行ってきました。

日頃から町のことについては
関係各所から伝え聞き、自分自身でも
様々な形で見聞きしてきていたので、
『想像もしなかった』という驚きは
ありませんでした。
しかしそこは、

人々があの日まで、
どこにでもあるように当たり前の日常を送っていた
町のひとつである


というその事実を、
ただ苦しい程静かに物語っていました。
一部は除染が完了し、一部は倒壊したまま解体を待ち、
一部はバリケードで立入り禁止になり、
そして、門の前に、道ばたに、田畑の一部に、
除染で出た放射性廃棄物を入れた黒い袋が積まれ、
それ以外の広い田畑にはどこまでも
生い茂った背高泡立ち草の黄色い穂先が揺れていました。

震災から丸3年と8ヶ月が過ぎた今ここにある現実。

私が福島へ着いた日、
国は福島第一原発1号機の核燃料取り出し開始時期を
2年から5年遅らせることを公表しました。

それから8日後、
鹿児島県知事は川内原発再稼働同意の意志を
表明しました。

ここに1つの写真があります。
富岡町へ行った同じ日の夜、22時58分,
東京の新宿です。



溢れかえる人の波、眩しいほどのネオン。
不夜城と呼ばれるような眠らない町を
いくつも抱えるここ東京。
そこから車でわずか数時間先に今もある現実。


先日参加した『ボルネオの生物多様性保全に関わるシンポジウム』
の講話の中で、以下のような言葉がありました。


「無意識の加害から意識した加害者にならなくてはいけない」


「知らないことは罪かもしれないが、知ることは未来への希望である」


無意識の生活の先に、私たちは知らず知らずに加害者となり、
将来子供達が享受すべき素晴らしい自然・かけがえの無い地球の財産を
奪ってしまっている。というものでした。
この言葉は私たちの国の中に今も現在進行形で存在する
多くの問題にも、言えることかもしれません。


10月31日に復興庁から発表された最新の

全国総避難者数23万9,341人
福島から県外への避難者数4万6,416人

自県内避難者数も含めると、福島の避難者数は相当数にのぼります。



復興庁:全国の避難者等の数(所在都道府県・所在施設別の数)
一昨年の8月から現在まで定期的に公表になっている全国の避難者数等の情報を御覧いただけます。
http://www.reconstruction.go.jp/避難者情報
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テーマ : 伝えたい事
ジャンル : ブログ

tag : 東日本大震災 原発事故 福島 富岡町 避難

富岡_町の話し02



『もう、故郷を捨てたいんです。。』


ひとりの方が私にそうつぶやきました。
この春、奥様とお2人で被災地沿岸部を岩手から巡り、
そして、自分の故郷にたどり着いた時、
そのあまりの悲惨さに、
ただ、涙しか出なかったと。


『故郷に帰りたい、本当に帰りたい。
でも、自分は故郷の為に何一つできることがないんです。』



『両親の骨のひと欠片、石ころのひとつを
守り神として持って帰りたいと思っても、
それすら持ち出してはいけないと言われる。』


自分はもう70、現実問題、除染をしたとしても、
農業はできるのか、水はどうなのか、インフラは、
すぐ隣には未だ不安定な原発がある。
実際に住めるようになるのは、あと10年はかかるだろう。
その頃に、自分はもう生きてはいないかもしれない。


『もう故郷へ、涙を流す為に行きたくはない。』


あまりの苦しさに、
もう故郷とも、両親とも決別したいんです。
決別して、新しい地で、今の家族を守りながら、
新しい故郷をつくらなければ、
自分はもう前に進むことができない。と。



今年2月にお会いした時、
その方はもっとお元気だったように思います。
心が本当に折れそうだったのだろうと、
それを痛いほど感じました。


震災直後、多くの人が、
誰も経験したことのない目を疑うような現実に言葉を失くし、
そして、何か自分にできることはないかと、
日本中の人々が現実と向き合おうとしていました。

今、多くの人の中でそれは過去のことになっているように思います。


でも、震災から丸2年以上が経過した今なお、
故郷に戻ることすらできず、
月日の経過と反比例するように、
心の負担が増してゆく、
そんな現実の中にある人たちがあることに、
どうぞ今一度目を向けていただければと思います。


また後日、ご報告しますが、
先日、福島の本宮にある仮設住宅を訪問し、
浪江からの避難者の方々とお会いしてきました。


福島に限らず、被災地沿岸部の甚大な被害を被った方々で、
今も仮設住宅のお住まいの方は、本当に沢山いらっしゃいます。


震災はまだ決して過去ではありません。




在京富岡友の会 ふるさとを行く
今年4月16日、在京富岡友の会の方々がこの春に区域再編となった故郷をバスで訪れた時の映像です。道路脇には黒い袋に入れられた汚染土が積み上げられ、地震で壊れた建物はそのまま、放置されたままの津波でひっくりかえった車と、被災したままの駅。これは、震災から丸2年以上が経過した今年の春の映像だということを、心に留めて頂ければと思います。
http://youtu.be/WEctWmKg6uM

テーマ : 福島県
ジャンル : 地域情報

6月の在京富岡友の会_町の話し01

今年の2月に行われた在京富岡友の会の新年会での様子を
このブログでご紹介してから、早くも4ヶ月が過ぎました。

今月8日、都内で行われた同会の集まりに私も参加させていただきました。
富岡町の副町長さんはじめとする町役場の方々や、
福島県東京事務所の所長さんなどもお越しになり、
避難者さんも含め、50名弱の方が集まりました。

6月8日は、大震災から2年2ヶ月、821日目でした。
警戒区域となっていた富岡町も、区域再編が行われ、
一部区域への立ち入りは可能になったものの、
除染効果、健康不安、発電所の安全性や農業再開、
インフラ整備などに対する不安など、
まだまだ多くの不安と問題が山積みであり、
町は今後6年間(現時点では後5年間)は全町民帰還せず
という方針を打ち出しています。

町の議長さんはおっしゃいました。


『現在も、全国47都道府県に町民の方々が避難をしており、
いつ元の生活に戻れるか不安な状況と闘っていることは事実』



『今年は正に復興元年である。いくつもの小さな山を越え、
やっと大きな1つの山を越えたに過ぎない。』




他の被災地が復興へ邁進し、賑わいや活気を取り戻してゆく中、
2年経った今がようやく復興元年という現実。

県の東京事務所の所長さんは冒頭で次のようなことをお話になられました。


『東京に住んでいると、大震災は昔のことのようで、
風化しているように感じますが、
未だに多くの人々が避難を続けている厳しい現状にあります。
長い長い時間がこれからかかるだろうし、
非常に多くの困難が待ち構えているということも事実です。』



福島県自体は、八重の桜などで注目を浴びている会津を中心に、
観光客も25万人をこえ、
上向きになっている部分もあるとのことですが、
その一方で、まだまだ出口の見えない中で過ごしている方々がいる現実を、
私たちも忘れずにいなくてはならないのではないでしょうか。


副町長さんのお話では、現在富岡町から東京都内に避難中の方は789名


夜の街はネオンに溢れ、閉店後もディスプレイに煌々と明かりを灯し、
店に入れば上着をはおらなくてはならない程に冷えた店も多くある東京。



富岡町に限らず、避難者の方々とお会いしてお話を聞く度に、
車でわずか数時間先にある現実とのギャップに言葉を失くします。
会の最後に1人のご年配者が、どうしても伝えたいことがあると口にされた言葉。


自分だけを守ろうとすると、
自分さえ守ることは出来ない。



6月18日現在復興庁から公表されている最新の

全国総避難者数29万8,033人
福島から県外への避難者数5万3,960人。



同情や慰めではなく、
そこにある『現実』を『知る』ということ。
今必要とされているひとつの形かもしれません。



復興庁:全国の避難者等の数(所在都道府県・所在施設別の数)
一昨年の8月から現在まで定期的に公表になっている全国の避難者数等の情報を御覧いただけます。
http://www.reconstruction.go.jp/topics/post.html

テーマ : 東日本大震災支援活動
ジャンル : 福祉・ボランティア

在京富岡友の会の新年会02

昨年9月26日、富岡町は『5年間帰還せず』という決断を行いました。
それから2ヶ月強、昨年12月、町を帰還困難、居住制限、避難指示解除準備の
3区域に再編する案がまとめられ、
それを受けこの春、富岡町が全国に誇る桜並木の一部区域が
立ち入り可能となりました。
2年間、誰も世話をすることすらできなかった桜。
咲き誇る桜と、そこに集う町民達に思いを馳せ、

『私は今、夢をみています。』

と表現された町長。
参加されていたあるご夫人は、
たまたま催されていた故郷の桜の写真展を見て、
涙が溢れたと話しておられました。




『きっと、本当に住めるくらいになるのは30〜40年先かもしれない・・。』
『小さな子供をもったお母さん達は心配するだろう、仕方ないこと。』




そうおっしゃるご年配者もいらっしゃいました。
また、仮設にお住まいのご高齢の方々の中には、


『もう後何年もつかも分からない。生きている内に、故郷に帰りたい。
放射能浴びたって構わない。故郷に戻りたい。』


そうおっしゃる方も多くおられることを話して下さった方もいました。
在京富岡友の会の会長である武山さんがおっしゃいました。



『心の中に染み付いた故郷の町のにおいや、
木の香りを、決して消すことはできない。』



故郷の咲き誇る桜の下で、
もう一度放射能などを気にすることなく、
人々が集う日を。


2月7日現在復興庁から公表されている最新の

全国総避難者数31万5,196人
福島から県外への避難者数5万7,135人。






富岡町公式ホームページ[災害版]

*富岡町 夜の森さくら 360°パノラマ写真
昨年平成24年4月19日に撮影された富岡町の満開の桜の様子がパノラマで御覧いただけます。ひっそりとした町に咲き誇る桜。時折映り込む白い防護服。この桜の下に人々の笑顔と笑い声が戻る日を願って。title="http://www.tomioka-town.jp/?page_id=5172">http://www.tomioka-town.jp/?page_id=5172

*富岡町 夜の森 さくら情報

http://www.tomioka-town.jp/?page_id=5172">http://www.tomioka-town.jp/?page_id=5172

復興庁:全国の避難者等の数(所在都道府県・所在施設別の数)
一昨年の8月から現在まで定期的に公表になっている全国の避難者数等の情報を御覧いただけます。
http://www.reconstruction.go.jp/topics/post.html

テーマ : 福島県
ジャンル : 地域情報

在京富岡友の会の新年会01

今月9日に、都内にて在京富岡友の会の新年会がありました。


前回記事で福岡雙葉学園の学生さんたちの
支援活動についてご紹介しましたが、
今回彼女達が集めてくれたお金を、
富岡町への義援金として寄附することになり、
私が彼女達の代理として遠藤勝也町長へ手渡すと共に、
彼女達の心のこもった手紙をよみあげさせて頂きました。

福岡雙葉学園では、震災後、東日本大震災の支援活動として、
継続的に義援金募金活動をおこなっており、
昨秋の学園際では『笑顔でつないだエールを届けよう』という思いのもと、
『咲〜Smile makes us strong~(笑顔は私たちを強くする)』をスローガンに、
被災地の現状を1人でも多くの方に伝えようと、今回の企画展を行ってくださいました。
学園祭当日、多くの方が企画展に足を運ばれ、
在京富岡友の会の会長さんに送っていただいたDVDをご覧になった方の中には、
涙を流しながら見入っておられた方もいらっしゃったそうです。



9日の会で、遠藤町長は全町民が避難する原発事故後の町を

『誰もいない、廃墟となりました。』

という言葉で表現されました。
そしてまた、次のようなことをおっしゃいました。

『人生は七転び八起き。
原発事故で転がり落ちたけれど、
残りの全てをかけて、まさに、八回目の八起きをします。』


町長の目には、並々ならぬ強い強い思いが溢れていました。
ちょうど会のあった前日、8日に公表された昨年末のアンケート結果では、
現時点で戻らないと決めている人が40%を占めたのに対し、
(現時点でまだ判断がつかない人は43.3%)
戻りたいと考えている人はわずか15.6%という厳しい結果が出ていました。
しかしながら、それは、
『戻りたくない』ではなく『戻りたいけれど戻れない』という
多くの町民の思いを反映したものでもあるのだということ。
戻らないという方々の実に8割の方が『放射線量への不安』を理由にあげています。

『心の中の故郷を消すことはできない。その想いを奮い起こす。』


他の被災地が少なからず『復興』という2文字に邁進していた中、
『復興』に着手することすらままならなかった町々。
震災から2年が経過しようとする中、区域再編を受けた今を

『復興元年』

と町長はおっしゃいました。
被災地外の地域で、もう震災が過去のことのようになっていく中で、
2年経過した今が、やっと『元年』という現実があります。
まだまだ長い長い道のりがそこにあり、
故郷を追われた人々があること、
そこに向き合い必死にこの困難な時をこえようと闘っている人たちがあること、
決して過去ではない現実をどうぞ忘れずにいてください。


今年2月1日現在。
富岡町から県内外に避難をされている方々は、
7千633世帯 1万5千551人。




テーマ : 福島県
ジャンル : 地域情報

被災地全ての明日のために

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